🎄クリスマス絵本


さむがりやのサンタ
 レイモンド・ブリッグズ(作・絵) 
   すがはら ひろくに(訳)
  福音館書店 
               
12月24日がやってきました。雪が降る寒い夜です。サンタさんはお仕事の準備をはじめます。コマ割りで表現されていくシーンは、無駄なく日々をこなし、変わらぬ生活をしている独り身の男性の日常を見るようです。住宅事情に時に悪態をつきながらも、見事に任務完了で帰宅。帰宅後のサンタさんは、これまた、小気味よく動きます。サンタさん自身もクリスマスプレゼントに一喜一憂。自身のクリスマスのごちそうを手作り。クリスマスプディングもお手製。就寝前には、ミルクを温めてココアも作ります。髭の手入れも忘れないサンタさんの完璧な一日でした。

レイモンド・ブリッグズ(Raymond Briggs,CBE 1934年 英・ロンドン生まれ)
 イラストレーター、漫画家、作家 大英帝国勲章
 幼少時の夢は漫画家になること。短期間絵画を学びイラストレーターになり、間もなく児
 童文学作品も手掛けるようになります。コマ割り形式、文字がなく絵だけで構成された作

 
品などがあります。子ども向け、大人向け作品と、共に高い評価を受けています。
  「さむがりやのサンタ」では、1973年ケイト・グリーナウェイ賞を受賞。

 

くるみわり人形
 E.T.A.ホフマン(原作)
 中井 貴惠(抄訳) いせ ひでこ(絵)
 ブロンズ新社 
ドイツ。クリスマス。シュタルバーム家。マリーとフリッツはドロッセルマイヤーおじさんから、ちょっと変なくるみ割り人形をもらいます。それをフリッツが壊してしまいます。マリーはそれを大事に部屋まで持っていきます。・・・その夜…マリーはねずみと戦うくるみ割り人形を見ます。・・・ドロッセルマイヤーおじさんはマリーに、くるみ割り人形の物語を聞かせます。・・・マリーは、くるみ割り人形を愛し気に撫でます。すると…
「お菓子の国」でのマリーと王子。バレエ「くるみ割り人形」の世界が広がっていきます。
いせひでこさんの絵の素敵なことは、言うまでもありません。

E.T.A.ホフマン(Ernst Theodor Amadeus hoffman 1766~1822年)
 ドイツの作家、作曲家、音楽評論家、画家、法律家
 本名は、エルンスト・テオドール・ヴィルヘルム(Wilhelm)・ホフマンで、ヴォルフガング
 
アマデウス・モーツァルトを敬愛していたためこの筆名だったようです。
 法律家の家系で自身も裁判官となった。その傍ら好きな芸術活動も続けました。劇場の音
 楽指揮者となり、楽曲制作や舞台装置家としても力量を発揮。時代背景もあり、官僚の職
 
を失したり復職したりしながら、幻想小説も執筆する多才ぶり。

やかまし村のクリスマス
 アストリッド・リンドグレーン(作)
 イロン・ヴィークランド(絵) 
 
おざき よし(訳)
 ポプラ社
やかまし村には3軒の家。そして、7人の子どもたち。クリスマスが来るまでの準備は、みんなで一緒に頑張りますツリーにする木を森に切りに行ったり、ジンジャークッキーを作ったり、薪をそりで運んだりします。クリスマスになれば、ごちそうやプレゼント。外国のクリスマスでは、キリスト生誕の様子を再現したり、その物語を語ったりしますが、この絵本の中でもそんなシーンがあります。クリスマスの朝は教会に行きます。「やかまし村の子どもたち」は映画化もされています。素敵な映画でした。村の暮らしと子どもたちが羨ましくなりました。

アストリッド・リンドグレーン(Astrid Lindgren 1907~2002年)
 スウェーデンの児童書の編集者・児童文学作家
 ヴィンメルビーという田園地帯で生まれ育ち、幸福な子ども時代を過ごした。散歩中に足
 を怪我して療養している間、物語を作ることを思いつき、創作した「ブリット・マリはた
 だいま幸せ」(徳間書店)で、1944年作家デビュー。1945年、娘に話して聞かせた「長く
 つ下のピッピ」を刊行。国内外で大人気となります。子どもたちから支持されるたくさん
 の作品を残しました。

 1958年「さすらいの孤児ラスムス」(岩波書店)で国際アンデルセン賞
 2002年「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」
     スウェーデン政府がリンドグレーンを記念して創設したもの
     (2005年 荒井良二氏が日本人として初めて受賞しています) 
 •「アストリッド・リンドグレーン・ワールド」
  スウェーデン南東部スモーランド地方ヴィンメルビー(Vimmerby)にあります。
  作品の舞台を再現したエリアや子どもたちが遊べるエリアなど、盛りだくさん。
  スウェーデンの短い夏(5月~8月末)の間、開かれています。
  やかまし村も再現されています(サイズは実寸の1/3)。
  •「在日スウェーデン大使館公認 観光情報サイト」

ちいさなもみのき
 マーガレット・ワイズ・ブラウン(作)
 バーバラ・クーニー(絵) 上條由美子(訳)
 福音館書店
小さなもみの木が雪の中にあります。そのもみの木が運ばれていきます。もみの木は、男の子の部屋のクリスマスツリーになりました。足が悪い男の子は、もみの木のツリーで祝うクリスマスを楽しみました。その後、クリスマスのたびにもみの木は男の子の部屋へと運ばれました。ある年、もみの木は運ばれることはありませんでした。どうしてだろう… と、森の中、もみの木の方へと誰かが来ます…

 「クリスマスツリー」と「男の子」と言えば、
   映画「クリスマス・ツリー」(監督 テレンス・ヤング 1969)を思い出します。
   こちらはラストが悲しいですが…

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown 1910~1952)
 アメリカの児童文学作家、児童書の編集者
 ニューヨーク生まれ。カレッジ卒業後、教師となり美術を学ぶ。ウィリアム・R・スコット
 社で初代編集者として「子どものための現代の絵本」を数多く出版した。その傍ら、自ら
 も作品を創作発表する。その作品は子どもに対してもその親たちに対しても興味と好感を
 持
たれるものだった。 

ちいさなサンタさん
 葉 祥明(作・絵) 佼成出版社
クリスマス・イブの夜。雪が降る、雪が降る。その中に建つ小さな家。男の子が迷い込んだ家はサンタクロースの家だった。そして、男の子はサンタクロースになっちゃった。心惹かれる葉祥明さんの色彩の世界が絵本の中に詰まっています。

あのね、サンタの国ではね…
 黒井 健(絵) 嘉納純子(文)
 松本智年 一色恭子(原案) 偕成社
グランサンタを長として、サンタさんたちの暮らす国のお話。1月からクリスマスまでの1年間。サンタさんたちは何をしているのでしょうか。

トトトのトナカイさん
 長谷川 義史(作・絵) ブロンズ新社
退屈すぎて困るとき、しりとりを始めます。トナカイさんは「トナカイ」の「イ」から。すると…イノシシがやってきます。動物たちがやってきて、しりとりは続いていきます。クリスマスにお暇なトナカイさんとしりとり遊びもいいかもしれません。

プレゼントはなあに?
 高畠 純(作・絵) 絵本館
クリスマス前。ペンギンは、クリスマスプレゼントをせっせと作っています。プレゼントをあげる動物たちのために、それぞれのことを考えて作っています。ペンギンの思いやりに、ニヤリとしてしまいます。そして、ゆきだるまもペンギンにプレゼントをします。高畠純さんのペンギンって、大好きです。

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