青く、青く、広い海。白い砂浜に打ち寄せる波。
夏の太陽が、波間にキラキラと降り注ぐ海。
大勢の人たちでにぎわう昼の海、月光が静けさを奏でる夜の海。
夜明けのひかりに染められたやさしい朝の海。
夏の海には、恐ろしいほどの魅力がある。
海の日
「海の日」は日本の国民の祝日です。7月の第3月曜日になります。
1995年(平成7年)に制定され、1996年(平成8年)から施行されました。
当初は7月20日でした。
2003年(平成15年)に改正された祝日法のハッピーマンデー制度により、7月の第3月曜日となりました。
「海の日」の趣旨
“海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う”
2020年(令和2年)の「海の日」
東京五輪・パラリンピック特措法により、東京オリンピック開会式の当初の予定日の前日に当たる、7月23日(木曜日)に変更されている。
うみのえほん
ぐりとぐらのかいすいよく
中川李枝子(作) 山脇百合子(絵) 福音館書店
野ねずみのぐりとぐら。海辺で遊んでいると、ぶどう酒のビンが流れてきました。渦巻型の貝殻で、上手くビンの栓をとることができました。そして、その中からでてきたのは、手紙と地図と浮袋でした。手紙は “しんじゅ灯台のうみぼうず” からでした。ぐりとぐらは、地図で場所を確認して、水着と同じしましまの浮袋で、プカプカ、波にゆられて灯台へと向かいます。うみぼうずは、しんじゅのランプを岩の間に落として困っていました。ふたりはそれを探しに岩の間へと行き、見つけて戻ります。うみぼうずはお礼にふたりに “泳ぎ” を教えてくれます。いぬかき、くじらおよぎ、などいろいろな泳ぎ方がありました。ふたりはおぼえたての泳ぎでもどりました。そして、夜になり……
スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし
レオ・レオニ(作) 谷川俊太郎(訳) 好学社
ちいさな赤い魚の兄弟たち。そのなかに黒い色をして、泳ぎの速い魚がいました。スイミーという名前です。大きなマグロ。ものすごいスピードで赤い魚の群れに飛び込んできて、赤い魚たちを食べてしまいました。スイミーだけが逃げて助かりました。スイミーは一人ぽっちになってしまい、さびしく暗い海の底を泳いでいました。ゼリーのようなクラゲやブルドーザーのようなイセエビみたいな、おもしろい生きものが海のなかにはたくさんいます。スイミーはそんな生きものたちに出会うたびに元気になっていきました。そんなとき、自分に似た赤い魚たちを見つけます。でも、赤い魚たちは、大きな魚を怖がり岩陰から出てこようとしませんでした。スイミーは赤い魚たちと一緒になりたくて、一生懸命に考えます。そして、ある提案を赤い魚たちにします。
ぷかぷか
石井聖岳(作・絵) ゴブリン書房
青い海と青い空。とても天気のよい日。タコは青い海にぷかぷか浮いています。気持ちよさそうに、ぷかぷか浮きながら、考えます。海も空も青くて「どこからが海で、どこからが空か」わからなくなりそうだ、と考えます。「空を飛ぶ」ことも考えてみます。どんなふうに飛ぼうかな、なんて考えてみます。そして、ジャンプしてみますが、失敗。海に浮かんで空を見上げながら、雲のこと、太陽のこと、向こうに見える山や森についても考えてみます。ゆったり、のんびり、ぷかぷか浮いているタコさんは、いろいろ考えては想像して遊んでいます。至福の時を過ごしていたことでしょう。そこへ、大きな船がやって来て、大きな波がやって来て…タコは思いっきり飛ばされてしまいます。海のなかに落ち着いたタコさんがイカさんに言います。「ぼくね…… !」
これは うみ
五味太郎(作・絵) 岩崎書店
見開きページに広がる海。小さな魚が泳いでいきます。広い広い青い海を泳いでいきます。むこうを泳ぐ魚がいても、わかりません。島が見えてきたけれど、ただ島があるだけです。船や飛行機からみたら、こっちなんてちっぽけな魚一匹とさえ認識してはいないだろうな。小さな魚は、ただただ広い海を泳いできました。船の帆が見えたけれど、あれもまた、いままでに海で出会ってきたものと同じだろう。なんて思っていたら…小さな魚が最後に見た光景と場所を、どう解釈しますか?
ようこそうみへ
中川ひろたか(作) 村上康成(絵) 童心社
みんなが楽しく海で遊んでいます。
「ようこそうみへ」と言う声がどこからか聞こえてきます…が、みんなは海で泳ぎます。そして、みんなのビーチサンダルを空にぶちあげて、ビーチサンダルの色合わせのゲームを始めたら…黄色のサンダルが見つかりません。すると、空から声が聞こえてきます。声の主はだれでしょう。その声の主は、サンダルを返す代わりに仲間にいれてほしいと言います。みんなは、もちろん”OK”です!
「ピーマン村のおともだち」シリーズ。
なつはひるね
村上康成(作) フレーベル館
南の海。そこにいるのは、男の子と犬。「おーい、うみ」と言ってみる。
海は、ダイナミックな波音を返してきます。本のページを開くと、夏の海。その海のなかには、そこに生きる魚たちがいます。
砂浜に寝転んだら、天空に広がる青い空。「おーい、そら」と言ってみる。
空には、雲。雨雲。急な土砂降り。その後は、カラッと晴れて夏の空。
ページをめくっていくと夏の日が、心地よく過ぎていく。
なつはうみ
内田麟太郎(作) 村上康成(絵) 偕成社
暑い! 暑い! 暑すぎる、今年の夏。山に住むツキノワグマもこの暑さに参っています。ツキノワグマは、タヌキやキツネにあれこれ命じますが、タヌキたちも暑さにヘトヘト状態です。ツキノワグマの要求には到底答えられるものではありません。この暑さに対処するため、山に住む動物たちは、みんなで海を目指すことにしました。”なつは、なんてったって、うみですから” ね。そして、海に飛び込んで、生き返る動物たち! それぞれに、海を満喫した動物たちが、山へ戻ろうとして……
ふねくんのたび
いしかわこうじ(作) ポプラ社
“ふねくん”は、小さな貨物船です。男の子から、引っ越した友だちに手紙を届けてほしいと頼まれました。目指すは、大きな港町です。途中、嵐にあったり、イルカと話したり…小さなふねくんは、いろいろな経験をしながら、目的地に到着します。そこで、待っていたものとは……
なみ
スージー・リー(作・絵) 講談社
ママと女の子が、海にやって来ました。海辺で、波を追いかけたり、波から逃げたり、してしまいますよね。女の子は、こちらに打ち寄せてくる波をからかいます。なぜかと言うと、この本のページの左右に波と女の子が対峙しているから。波は、本の真ん中からこっちにはこれないからと、女の子は高をくくっているのです。しかし、波はすごい! ザッブーンと女の子に襲い掛かりました。ずぶ濡れになった女の子に、波はプレゼントをします。波はやさしい!
文字のない絵本で、色も少ない絵本です。それ故に、女の子と波の世界にご一緒した感がするかもしれません。2008年にアメリカで刊行され、世界中で読まれ続けている絵本です。
わたしのうみべ
長新太(作・絵) 佼成出版社
海辺には、いろいろなものが流れてくる。プラスチックごみが海の環境破壊を進行させている、昨今です。また、流れ着く木切れは “流木” として、人気があります。この海辺に流れ着くのは、木、ビン…お化け、怪獣など。これらのものがあったところ、この海のむこうは、どんなところなのかな。流れ着いたもの一つ一つに、それぞれの物語があります。さて、次の朝、傘が流れ着きました。当然のことに、その傘にも物語があります。
海の なか のぞいた
よしのゆうすけ(作) 福音館書店
水中メガネ。これを使って、海のなかを覗いてみよう!
くっきり、はっきり、あざやかに見える、海のなかの世界。
ヒトデ、ウニ、イソギンチャク。「こんななんだ」「すごいな」と興味が尽きない、海のなか。たくさんの海の生きものたちのあれこれを、知りたい、見てみたい。質問をする子供に、答えてくれるお父さん。鮮明な写真が生きものたちを見事にとらえている、写真絵本です。
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