🎼童謡の日

童謡の日

7月1日は「童謡の日」です。

1984年 日本童謡協会が制定しました。

1918年(大正7年)7月1日 童話・童謡を扱った児童雑誌赤い鳥が創刊されたことから。


『童謡』 
子供が歌う歌。子供向けの歌。

明治時代ころまでは、「わらべ歌」や「文部省唱歌」などが、子供の歌という括りのなかにありました。
大正時代になり、児童雑誌「赤い鳥」を創刊した鈴木三重吉が「童謡」を定義づけました。それは、子供たちのもつ空想や情緒をそのままに育むための児童文学を、子供たちに与えたいと考えてのことです。

1910年代以降「童謡」には、「伝承童謡」「文学童謡」「子供たちが創作した児童詩」という概念が付け加えられていきました。が、この概念は時代の変遷により、様々に変容もしていきました。

時代のなかで「童謡」の定義は、変わっていきました。
現在では、アニメの主題歌までも「童謡」に含める向きもあるようです。
「子供の歌の全て」が「童謡」とされているようです。


•「文学童謡」(大人が子供の情操教育のために創作した芸術性の高い作品)
児童雑誌「赤い鳥」に発表されていた「童謡」には、曲・旋律はついていませんでした。
西條八十の童謡詩「かなりや」が、創刊された年(1918年)の11月号に掲載されました。
その翌年(1919年)の5月号に、「かなりや」に成田為三作曲の楽譜が付けれれて掲載されました。
これが「文学童謡」の “はじまり” とされています。
「子供のため」にという鈴木三重吉の考えから、スタートしました。


•「赤い鳥」廃刊
多数の創刊をみた児童文学雑誌でしたが、昭和になり「赤い鳥」は1929年(昭和4年)に廃刊となりました。
同年、同じく児童文学雑誌の「金の星」(斎藤佐次郎が創作した「金の船」)も廃刊となりました。

• 日本ではじめてのレコード化された童謡
1919年(大正8年) ニッポノホン(現 コロムビア) から発売された童謡(お伽歌劇) の一連「茶目子の一日ちゃめこのいちにち」が、はじめてのものとされています。
「茶目子の一日」は、作詞・作曲 佐々紅華さっさこうか。台詞と踊りのある歌劇。

• この児童文学雑誌から誕生したのが、三大詩人と呼ばれる、
北原白秋野口雨情西條八十の三人です。


   「童謡」
   (2020年10月3日(UTC))「ウィキペディア日本語版」を参考にしました。


北原白秋

1885年(明治18年)1月25日-1945年(昭和17年)11月2日(57歳)
熊本県生まれ
詩人、童謡作家、歌人
本名 北原隆吉きたはらりゅうきち

活躍した時代は三木露風とともに「白露時代」と呼ばれる。

1909年(明治42年) 第一詩集「邪宗門」刊行
1913年(大正 2年) 第一歌集「桐の花」詩集「東京景物詩及其他」刊行
1918年(大正 7年) 鈴木三重吉の勧めで「赤い鳥」の童謡、児童詩を担当
1919年(大正 8年) 小説「葛飾文章」「金魚」刊行
1933年(昭和 8年) 鈴木三重吉と絶交。「赤い鳥」から離れる。
         皇太子明仁親王(現 上皇様)誕生の奉祝歌「皇太子さまお生ま
         れになつた」(作曲 中山晋平) の作詞。

北原白秋の童謡
•作曲:中山晋平
「雨降り」
• 作曲:山田耕筰
「この道」「ペチカ」「あわて床屋」「待ちぼうけ」「からたちの花」
• 作曲:草川信
揺籃ゆりかごのうた」


北原白秋のうたのほん

北原白秋童謡詩歌集
赤い鳥小鳥


北原白秋(作) 北川幸比古(編) 一乘清明(画)
岩崎書店


白秋の童謡、詩、民謡、短歌などが収録されています。
「揺籃の歌」「ペチカ」「からたちの花」「この道」など


この道はいつか来た道   (第一巻)
かへろが鳴くからかぁへろ (第二巻)

北原白秋(詩) 童話屋

収録作品
(第一巻) 「この道」「赤い鳥小鳥」「砂山」「ペチカ」など44篇
(第二巻) 「かへろかへろ」「兎の電報」「あわて床屋」など51篇


ゆりかごのうた

北原白秋(詩) 高見八重子(絵) ひさかたチャイルド

ゆりかごのなかに赤ちゃん。
やさしく揺れています。
どうぶつたちがやさしく見守ります。
とにかくやさしい風合いの絵本です。

野口雨情

1882年(明治15年)5月29日-1945年(昭和20年)1月27日(62歳)
茨城県生まれ
詩人、童謡・民謡作詞家  (民謡=主に口承で受け継がれた歌の総称)
本名 野口英吉

1905年(明治38年) はじめての詩集 民謡詩集「枯草」を自費出版。
1919年(大正 8年) 詩集「都会と田園」

児童雑誌「金の船」上で多くの童謡を発表。
 ※「金の船」は1919年(大正8年)11月に斎藤佐次郎が創刊した児童雑誌。
   1922年6月号から「金の星」と改題した。

• 組んだ作曲家
藤井清美ふじいきよみ (1889年2月17日-1944年3月25日)
     作曲家、童謡作曲家、民謡研究家
 作品:野口雨情(作詞)「篠田の藪」「足柄山」「良寛さま」
    林柳波(作詞) 「ながさき」 など

中山晋平なかやましんぺい (1887年3月22日-1952年12月30日)
      作曲家
 作品:北原白秋(作詞)「砂山」 
    野口雨情(作詞)「シャボン玉」「雨降りお月さん」「証城寺の狸囃子」
    海野厚(作詞) 「背くらべ」 など 
    
本居長世もとおりながよ (1885年4月4日-1945年10月14日)
     童謡作曲家
 作品:野口雨情(作詞)「七つの子」「赤い靴」「十五夜お月さん」
    本居長世(作詞・作曲)「汽車ぽっぽ」 など
            (♪お山の中行く汽車ぽっぽ~なんだ坂こんな坂~)

• 新民謡(創作民謡)の創作にも注力した。
新民謡とは、大正年間(1912-1926)以後に作られた民謡調の歌謡曲。創作民謡。
野口雨情は、日本各地を旅行、その土地の民謡を創作した。
  


野口雨情の本

童謡詩人野口雨情ものがたり

楠木しげお(作) 坂道なつ(絵) 銀の鈴社

野口雨情の生い立ちから作品まで。
野口雨情のすべてをばっちり堪能してください。


西條八十

1892年(明治25年)1月15日-1970年(昭和45年)8月12日(78歳)
東京生まれ
詩人、作詞家、仏文学者
「八十」は本名で、”九”は”苦”に通じるということで、”八”と”十”で命名された。

1919年(大正8年) 第一詩集「砂金」を自費出版。象徴詩人としての地位確立。

歌謡曲の作詞家としても活躍した。
「青い山脈」(作曲 服部良一)「東京行進曲」(作曲 中山晋平) など

1977年 映画「人間の証明」(原作 森村誠一)
    この作品のなかで、「ぼくの帽子」が引用された。
    ”かあさん ぼくのあの帽子” とつづいていく台詞。主題歌には、この詩
    が英訳された。映画もこの詩も大注目された。

西條八十の童謡
• 1918年「赤い鳥」11月号
童謡詩「かなりや」掲載。1919年、成田為三の作曲となる楽譜が「赤い鳥」5月号に掲載された。
童謡として、はじめて曲のついた作品となり、この後から童謡に曲をつけて歌われることが一般化していった。

西條八十(作詞)の童謡
• 作曲:中山晋平
「肩たたき」「鞠と殿様」「おみやげ三つ」
• 作曲:本居長世
「お月さん」
• 作曲:大和田愛羅
「水たまり」 など    


西條八十のえほん

ひょうたんとかえる

西條八十(作) 殿内真帆(絵) 鈴木出版

池に落ちたひょうたん。浮かびながら流れて行きます。そこにかえるが飛びついてきます。水のなかに沈んでいきますが、ぷかぷか浮いてきます。そして、かえると池のなかを楽し気に進んで行きます。
ぼっくり ぼっくり ぼっくりこ。
ポップでユーモラス!

当時はこの詩に曲がつけられてレコードになりました。


日本の歌百選

2006年(平成18年) 文化庁と日本PTA全国協議会が、親、子、孫へと長く歌い継いでほしい童謡、唱歌、抒情歌、愛唱歌、歌謡曲など、101曲を選定しました。

•「日本の歌百選」中の 北原白秋、野口雨情、西條八十が作詞した歌
「あめふり」  (詞・北原白秋 曲・中山晋平)
「からたちの花」(詞・北原白秋 曲・山田耕筰)
「この道」   (詞・北原白秋 曲・山田耕筰)
「揺籃のうた」 (詞・北原白秋 草川信)

「赤い靴」    (詞・野口雨情 曲・本居長世)
「あの町この町」 (詞・野口雨情 曲・中山晋平)
「雨降りお月さん」(詞・野口雨情 曲・中山晋平)
「シャボン玉」  (詞・野口雨情 曲・中山晋平)
「七つの子」   (詞・野口雨情 曲・本居長世)

「風」   (訳詞・西條八十 曲・草川信)
「肩たたき」(詞・西條八十 曲・中山晋平)


童謡のえほん

月ようびはなにたべる ? ―アメリカのわらべうた

エリック・カール(作・絵) もりひさし(訳)
偕成社

アメリカのわらべうた。
月曜日には何食べる ? と日曜日まで続いていきます。ハリネズミヘビ、ゾウ、ネコ、ペリカン、キツネが、曜日ごとに登場してきます。それぞれのごちそうも登場。そして、日曜日。さあ、日曜日は何食べる ? 誰と、食べたいですか ?
♬ おなかの空いた子、みんなおいで~さあ、食べよう !

表紙をみてわかるように、エリック・カールさんの持ち味満載のダイナミックな絵本です。


かえるがなくからかーえろ

松谷みよ子(作) 遠藤てるよ(絵)
偕成社

松谷みよ子さんの「あかちゃんのわらべうた」。
おかあさんとあかちゃんのやさしい時間を作ってくれる、たくさんのわらべうた。それぞれの作品の挿画が、また楽しいです。

「あかちゃんのわらべうた」シリーズ  松谷みよ子(作) 偕成社
1.あそびましょ           丸木俊(絵)
2.いたいいたいはとんでいけ     佐野洋子(絵)
3.ぼうしをとってちょうだいな    上野紀子(絵)
4.えんやらりんごの木        遠藤てるよ(絵)
5.おおさむこさむ          遠藤てるよ(絵)
6.さよならさんかくまたきてしかく  上野紀子(絵)
7.うちのねこちゃん         小沢良吉(絵)
8.かえるがなくからかーえろ     遠藤てるよ(絵)
9.あのやまこえてかわこえて     西山三郎(絵)
10.にぁーう             長野ヒデ子(絵)


あめふりくまのこ

鶴見正夫(詩) 高見八重子(絵) ひさかたチャイルド

♪「あめふりくまのこ」鶴見正夫(詞) 湯山昭(曲) 「日本の歌百選」の1曲。
1961年(昭和36年)に作詞されました。1962年(昭和37年)に「うたのえほん」(NHK「おかあさんといっしょ」の前身番組)で、放送されました。
2009年(平成21年)に、この絵本が出版されました。
ふっくらしたクマの子が、やさしく降ってくる雨のなかにいます。クマの子はしゃがんで、小さな川のなかに “おさかな” を探しています。やさしい緑色の世界のなかに、かわいいクマの子がいます。ページを眺めていると、なんかやさしくなれそうなんです。最後に、おかあさんクマといるクマの子がなんとも幸せそうです。


童謡えほん

萩原昌好(編) あすなろ書房

36編の童謡に16人の画家のみなさんのイラストが添えられています。
作られた童謡詩人たちの紹介もあります。

「赤い鳥小鳥(詞・北原白秋、曲・成田為三)」「揺籃のうた(詞・北原白秋、曲・草川信)」「ペチカ(詞・北原白秋、曲・山田耕筰)」「しゃぼん玉(詞・野口雨情、中山晋平)」「かなりや(詞・西條八十、曲・成田為三)」「うれしいひなまつり(詞・サトウハチロー、曲・河村光陽)」「かわいいかくれんぼ(詞・サトウハチロー、曲・中田喜直)」「おなかのへるうた(詞・阪田寛夫、曲・大中恩)」「ふしぎなポケット(詞・まどみちお、曲・渡辺茂)」「ぞうさん(詞・まどみちお、曲・團伊玖磨) などの童謡が収められています。お楽しみください。


やまのおんがくか

水田詩仙(訳詩) 鈴木幸枝(構成・絵) ひさかたチャイルド

秋の森の中。演奏会が始まります。
きゅ、きゅ、きゅっ、とこりすがバイオリンを弾きます。
たぬきも小鳥も一緒に演奏します。
楽しい演奏にあわせて、絵本のしかけを楽しんでください。
楽譜もついていますので、心得のある方はそちらでもお楽しみいただけます。


かえるのがっしょう

岡本敏明(訳詩) いしはらきん(構成・ねんど絵) 
ひさかたチャイルド

アジサイの影から出てきたカエルが歌い出します。カエルがもう一匹、二匹と出てきます。そして、一緒に歌います。すると、またもカエルが出てきます。みんなで大合唱 ! このお楽しみに、つられて出てくる動物たちがいます。アリ、テントウ虫、チョウチョウ、カタツムリ…。一緒に歌いたくなる気持ち、わかりますよね。
♪ カエルのうたが、きこえてくるよ~


アプリイ・ダプリイのわらべうた

ビアトリクス・ポター(作・絵)
なかがわりえこ(訳)
福音館書店


「アプリイ・ダプリイ、ちっぽけな茶色のネズミ」「カトンテール (ピーターラビットの妹) のドアを叩くのだあれ ? 」「おとしよりのハリネズミさん」「靴の中にすんでいたおばあさん」「掘った、掘った、ほりべえさん ! 」「お肉のソースとゆでジャガイモ」「おしゃれなテンジクネズミがいましたよ」 楽しくてヘンテコなわらべうたとポターのイラスト。


セシリ・パセリのわらべうた

ビアトリクス・ポター(作・絵)
なかがわりえこ(訳)
福音館書店


「セシリ・パセリ、宿屋のおかみ」「ガチョウさん、ガチョウさん」「このブタ、市場へ行きました」「ネコさん、炉端に座ってる」「三匹のネズミ、三匹のネズミ、目は見えないが、ほら走る ! 」「ワン、ワン、ワン、おまえどこのイヌ ? 」「わたしたち、小さな畑をもってます」「なぞなぞです。長く立っているほど、背が低くなるものな~に ? 」 
“アプリイ・ダプリイ” と “セシリ・パセリ” 。ポターの二つのわらべうた集。マザーグースの唄やなぞなぞ。ポターのイラストの素晴らしさから、動物たちを愛してきたことがよくわかります。楽しい文句と絵をお楽しみください。

 


マザーグースのうたがきこえる

ニコラ・ベーリー(絵) 由良君美ゆらきみよし(訳) ほるぷ出版

「マザーグース」は、イギリスで古くから伝承されてきた童謡や歌謡をまとめたものです。「ハンプティ・ダンプティ」「誰がころしたこまどりを」「ハバードばあさんといぬ」「セント・アイヴスにゆこうとしたら」など22篇を収めています。ニコラ・ベーリーさんの挿画が表現する「マザーグース」の世界に、簡単に引き込まれてしまいます。


詩歌集

北原白秋童謡詩歌集 赤い鳥小鳥
            (「美しい日本の詩歌」シリーズ から) 
北原白秋(作) 北川幸比古きたがわさちひこ(編) 一乘清明いちじょうせいめい(画) 岩崎書店

「揺籃のうた」「ペチカ」「からたちの花」「この道」など。
北原白秋の童謡、詩、民謡、短歌が収録されています。
     

茶木滋童謡詩集 めだかの学校
           (「美しい日本の詩歌」シリーズ から)
茶木滋(作) 北川幸比古(編) 杉田明維子すぎたあいこ(画) 岩崎書店

「めだかの学校」の作者、茶木滋さんの詩集。童謡・51篇。


• 阪田寛夫童謡詩集 夕日がせなかをおしてくる
            (「美しい日本の詩歌」シリーズ から)
阪田寛夫(作) 北川幸比古(編) 濱田嘉(画) 岩崎書店

「さっちゃん」の作者、阪田寛夫さんの詩集。


武鹿悦子詩集 たけのこ ぐん !
            (「豊かなことば現代日本の詩」8)
武鹿悦子ぶしかえつこ(著) 伊藤英治(編) 七字由布しちじゆう(画) 岩崎書店

「たけのこ ぐん ! 」「うぐいす」など、56篇の童謡詩集。
小学校の教科書に多くの作品が掲載されている武鹿悦子さんです。


まど・みちお童謡集 地球の用事

まど・みちお(詩) 阪田寛夫(選) 高畠純(装丁・装画) JULA出版局

「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」、散文詩、など55篇。


与田準一童謡集 森の夜あけ

与田準一(作) 矢崎節夫(選) 高畠純(装丁・装画) JULA出版局

「森の夜あけ」「小鳥のうた」など53篇。
童謡・童話の世界で長い間、活躍された与田準一さんの童謡集です。


• 武鹿悦子童謡集 はるのみち

武鹿悦子(作) 矢崎節夫(選) 高畠純(装丁・装画) JULA出版局

「まっててね」「ちいさいかわのうた」など60篇。
西條八十との出会いがきっかけで、戦後から童謡を書き始めた武鹿悦子さん。詩、絵本、翻訳など、多くの作品があります。


金子みすゞ童謡集 わたしと小鳥とすずと

金子みすゞ(作) 矢崎節夫(選) 高畠純(装丁・装画) JULA出版局

「金子みすゞ全集」から60篇を収録。


金子みすゞ豆文庫

金子みすゞ(作) 矢崎節夫(選) 岩崎美紀(挿絵) JULA出版局

「大漁・仙崎八景」「花のたましい」「みんなをすきに」の3冊がセットになった、かわいい詩集。それぞれに15篇~18篇の詩が収録されています。


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