🍂秋の夜長

秋の夜長

秋です。夜が長ーくなりました。

長い夜に、夜を実感する絵本を少しだけご紹介します。

えほん de night

夜にみちびかれて

ロイス・ダンカン(作) スティーブ・ジョンソン ルー・ファンチャー(絵)
成沢栄里子(訳) BL出版 (2001年2月刊行)


まさに、そこに猫がいます。
日中、飼い主と猫は、ごくごく当たり前の接触をしていきます。
そして、夜。
くぐり戸を抜けて夜の中へと歩いていく猫の姿。
猫を追って行くこともできるし、猫になって経験することもできます。
そして、夜が明けます。


かようびのよる

デヴィッド・ウィーズナー(作・絵) 当麻ゆか(訳) 徳間書店(2000年5月刊行)

とある町。火曜日の夜8時。
面構えのいいガマさんたちが、ハスの葉に乗って、行く、行く、空を行く。

11時21分。食パン2枚で簡単なサンドイッチを食べている男性。その横の窓の外には、空を飛んで行く、ガマさんたち。
「なんか、いるよな。なんか、飛んでちゃいけないものが飛んでいるよ…な」
てな感じで、サンドイッチを手にしたまま固まっている男性。

満月の夜。ガマさんたちは、夜空を自由気ままに空中闊歩。
夜明け前の4時38分。犬に見つかって追いかけられ。

そして、次の火曜日の夜7時58分。!!

あなたが眠っている長い夜の間、外では何かが起きている。かも。


終わらない夜

セーラ・L・トムスン(作) ロブ・ゴンサルヴェス(絵) 金原瑞人(訳)
ほるぷ出版(2005年8月刊行)


” 想像してごらん “

まずは、表紙。ロブ・ゴンサルヴェスさんの絵を見てください。
” だまし絵 ” とされる描写の魔法にかけられます。

石畳に積もった雪。白い雪は、冷たいシーツ。
いくつもの緑色の木々が織りなす風景は、誰かが縫い上げたキルト作品か。
廊下には線路が長く長く伸びて、その汽車に乗って、夜の旅にでよう。

たくさんのヒマワリや連なる縦長の飾り窓。木の影が映すもの。
月の光。日の光。影がつくるもの。
絵を見て、本当に「想像してください」
じっと見ていると少し怖くなってくるかもしれません。
でも、納得できることがあるかもしれません。

ロブ・ゴンサルヴェスさんについて
Robert “Rob” Gonsalves (1959年6月25日~2017年6月14日) 
カナダ オンタリオ州 トロント生まれの画家。
“マジックリアリズム画家” と称されています。
2003年6月「Imagine a Night」最初の絵本を出版。
2005年 カナダの文学賞 Governor General’s Awards のイラスト部門で受賞。

ほるぷ出版から4冊の絵本が刊行されています。
1.「終わらない夜」
2.「真昼の夢」(2006年6月刊行)
  セーラ・L・トムスン(作) ロブ・ゴンサルヴェス(絵) 金原瑞人(訳)
3.「どこでもない場所」(2010年4月刊行)
  セーラ・L・トムスン(作) ロブ・ゴンサルヴェス(絵) 金原瑞人(訳)
4.「夢にめざめる世界」(2016年7月刊行)
  ロブ・ゴンサルヴェス(作) 金原瑞人(訳)

マジックリアリズム
magic + realism
幻想的な非日常や非現実の事象、それとは相反する日常や現実。
これらを同時に表現する技法。



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