🌷アンデルセンの絵本

アンデルセンの絵本

「国際子どもの本の日」

4月2日は「国際子どもの本の日」です。

イエラ・レップマン

「世界が子どもの本を通じて国際理解を深めるため、アンデルセンの誕生日をその日と定め、世界で催事を行い子どもの本に対する関心を呼び起こそう」と提案したのが、イエラ・レップマン(Jell Lepman)です。
  ドイツの児童文学作家(1891-1970) 
  ナチスの台頭があり、イギリスへ移住。戦後はドイツに戻る。
  「国際児童図書評議会」「ミュンヘン国際児童図書館」創設者。


アンデルセン

ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen)
1805年4月2日~1875年8月4日
         デンマークの詩人、童話作家

1805年 デンマーク フュン島 オーデンセで生まれる。
1819年 オペラ歌手になろうとして、コペンハーゲンに行く。
      バレエ学校に在籍する。
      オペラ歌手にはなれず、創作物も評価はされずで、挫折。   
      デンマーク王、政治家ヨナス・コリン(コペンハーゲン王立劇場支配人)
      の援助で教育を受けることができるようになる。
      (父親の死に伴い、学校を中退していた)
1822年~1828年 この在学期間中、学長からは文学的才能に対し嘲笑されるなどし
      たため、ヨナス・コリンは、個人授業を受けさせる対応をする。
1828年 大学入学。文献学、哲学を専攻。
1829年 「ホメルン運河からアマゲル島東端までの徒歩旅行
                      ━1828と1829における」
      を、自費出版する。ドイツ語版もでるほどの作品であった。
1835年 「即興詩人」最初の小説刊行。

多くの童話を発表したアンデルセン。
グリム兄弟は各地を回り民俗説話の収集などを行い作品を制作したのに対し、アンデルセンには創作した作品が多い。
自らの生い立ちや経験などから、結末が不幸な死を迎える主人公が多い作品が初期の頃には目立つようです。

多くの旅行記もあるアンデルセン。
旅行先では、多くの著名人たちとの交流もありました。
バルザック(仏、小説家)、ヴィクトル・ユゴー(仏、詩人・小説家)、ラマルティーヌ(仏、詩人・著作家・政治家)、ハインリヒ・ハイネ(独、作家・詩人・文芸評論家)、ラシェル・フェリックス(仏、女優)、グリム兄弟(独、文学者・言語学者)、ディケンズ(英、小説家)、シュポーア(独、作曲家・ヴァイオリニスト・指揮者)……などの方々とお付き合いがあった。

極度の心配症であったアンデルセン。
逸話1. 外出時には、建物の窓から脱出するような非常時に使うための、ロープを持
    参していた。
逸話2. 睡眠中に死んでいると勘違いされ埋葬された男の噂話を聞いてからは、眠る              時は「死んでません」と書いた紙を枕元に置くようにしていた。 

失恋ばかりのアンデルセン。
失恋するには訳がある。そのひとつが、相手に送る手紙にあったようです。
その内容は、自分の生い立ち、作家となるまでのこと、初恋に敗れた悲哀などを、長々と書き送るようです。 
死後50年を経て発見された”作品”があるそうで、それによれば、3度ばかり、このような”恋文”を送ったそうです。

1956年 「国際アンデルセン賞」創設。(隔年に授与) 
               アンデルセンの功績を記念して、国際児童図書評議会(IBBY)が
    「児童文学への永続的な寄与」に対する表彰として、創設した。
    「児童文学のノーベル賞」とも称されています。
    その第一回受賞者が、上述のイエラ・レップマンさんです。 

 ハンス・クリスチャン・アンデルセン」(2019年12月10日 3:27 UTC)                            
 「ウィキペディア日本語版」を参考にさせていただきました。

アンデルセンの絵本の紹介

「国際子どもの本の日」がアンデルセンに因んだものということで、アンデルセンの絵本をいくつかご紹介します。挿画担当の画家のみなさんが素晴らしすぎます。
ぜひ、読んでみてください。プレゼントにも最適な絵本です。

マッチうりの女の子
スベン・オットー(絵) 乾侑美子(訳) 
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(原作)

童話館出版

雪がしんしんと降る大晦日の夜。女の子がはだしで歩いています。雪の上をはだしで歩くなんて、どんなに冷たくてつらいことか。女の子は、マッチ売り。でも、誰も買ってくれません。おなかはすいて、寒くて凍えそうです。女の子は、マッチをすってみます。すると、目の前にストーブがあらわれます。あたたかそうなストーブは、マッチの火と同じですぐに消えてしまいます。女の子は次々にマッチをすります。その火の中に、やさしかったおばあちゃんがあらわれました。
翌朝、女の子は…

はだかの王さま
中井貴惠(再話) たちもとみちこ(colobockle)(絵)
 アンデルセン(話)

ブロンズ新社

王さまは、だれも持っていない服がほしい。男は、王さまの寸法をはかり、せっせと服を作ります。王さまは、出来上がった服を着て、外へ。おとなはだれも、王さまが「はだか」だとは言いません。言えません。でも、素直で無邪気なこどもは違います。
元気100%カラーの絵で、王さまのことを楽しんでください。

おやゆびひめ
北見葉胡(絵) 蜂飼耳(訳) 
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(原作)

偕成社

花から生まれた小さな女の子、おやゆびひめ。ある日、ヒキガエルにさらわれます。泣いてばかりいるおやゆびひめを魚が助けてくれます。秋、おやゆびひめは、つばめを助けます。つばめに誘われるのですが、おことわりしてしまいます。おやゆびひめは、モグラと結婚することになってしまうのですが…おやゆびひめは、絶対にモグラと結婚なんかしたくありません。そして、つばめがやって来る季節になりました。

あかいくつ
アンデルセン(作) 岩崎ちひろ(絵) 神沢利子(訳)
 偕成社

靴やのおかみさんが作ってくれた赤い靴。教会での母の葬儀に、少女は赤い靴をはいて行った。”赤い靴は教会にはいていってはいけない”ということを守らずに、赤い靴をはいて行ってしまった少女。赤い靴をはいた少女は、踊る、踊る、まわる、まわる、まわり続ける。そして、少女は恩人を見殺しにしてしまう事態になってしまう。少女は、ある決断をする。
少女に待っているのは、とても悲しい結末だけれど、その先には、きっと……

なぞなぞアンデルセン
石津ちひろ(なぞなぞ) 南塚直子(絵) 
偕成社

絵本を開くと左のページにはなぞなぞが5問、右のページには絵が描かれています。
アンデルセンの10の童話についてのなぞなぞを考えてみてください。絵のなかにヒントもあります。童話について知らなくても、楽しめます。
南塚直子さんの銅版画もお楽しみください。

掲載されている10の童話
「おやゆびひめ」「マッチ売りの少女」「すずのへいたい」「にんぎょひめ」
「いつつのえんどうまめ」「はだかのおうさま」「みにくいあひるのこ」
「ちいさいイーダのはな」「ゆきのじょおう」「そらとぶトランク」

えんどう豆の上にねむったお姫さま
アンデルセン(作) ドロテー・ドゥンツェ(絵) 
ウィルヘルム・菊江(訳)

太平社

雨に濡れて、見るも無残な姿でお城の門を叩いたお姫様。
「本当にお姫様なのか?」
お妃さまは、ある策をお姫様に試します。一粒のえんどう豆の上に敷布団を20枚重ねさせます。さらに、20枚の羽根布団を重ねさせて、お姫様を一晩休ませます。
翌朝、お妃さまはお姫様におたずねになります。
お姫様がお答えになったこととは……

アンデルセン コレクション
ハンス・クリスチャン・アンデルセン(原作) 
リスベート・ツヴェルガー(絵) 

大畑末吉(訳) 木村由利子(解説)
太平社

8編の童話が素敵な挿画とともに収められています。

「 眠りの精のオーレ・ルゲイエ」
オーレおじさんは、たくさんのお話を知っています。
オーレおじさんが、子どもの眠ったベッドの上に座っています。
オーレおじさんは、2本の傘を持っています。その一つには、絵が描かれています。よい子の上に広げ、よい子に楽しいお話の夢をプレゼントするためのものです。もう一つには、絵が描かれていません。その傘をよい子でいなかった子の上に広げると、その子はただただ眠り続け楽しい夢も見ずに朝には目が覚めてしまうのです。

そのほかに、「マッチ売りの少女」「いたずらっ子」「皇帝の新しい着物」「エンドウ豆の上に寝たお姫様」などが楽しめます。

上記2冊は「太平社」刊の絵本です。
大人が楽しめる、ムード満点で存在感のある絵本だと思います。
ぜひ、ご覧になっていただきたい絵本です。
とっても素敵な絵本です。

まとめ

「国際子どもの本の日」は4月2日。子どもたちが入学し、新しい経験をはじめる季節です。子どもたちが、感情豊かで、人にやさしく、これからの荒波に耐えていける一助になれる絵本を読んであげて、また贈ってあげてください。

4月が新スタートとなるのは、子どもだけではありません。大人のみなさん、大人に近づきつつある10代のみなさんにも、気軽に手に取っていただける絵本との出会いがなにかの道筋になるかもしれません。アンデルセンのお話に触れてきた方々は多いと思います。童話絵本だけでなく、読み物としてのアンデルセン作品もたくさんあります。「絵のない絵本」もあります。
おすすめです!

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