誰かにちょっと、意地悪をする。
ちょっとでも、いけないことなのに。
誰かに意地悪してしまったことって、誰にも経験があるのでは。
ちょっとでも、意地悪された人にとっては、
とてもつらいこと。
ちょっとですまない意地悪をされ続けている人達が、
今、この世界に大勢いるんです。
こういうことって、大昔から連綿と続いていることなのです。
歴史書や古い時代に書かれた小説などを読んでも、
到底、許されない意地悪をされ、
絶望の極致に落とし込まれてしまう人達が描かれています。
永遠に終わることのないことなのか。
ちいさなおじさんとおおきな犬
ちいさなおじさんとおおきな犬
バールブロー・リンドグレン(文) エヴァ・エリクソン(絵)
菱木晃子(訳) あすなろ書房 2021年10月刊行
ひとりぼっちのちいさなおじさん。
おじさんは、とても親切なひと。
でも、おじさんに親切にしてくれるひとはいません。
それどころか、意地悪ばかりされていました。
━━なぜなのでしょう?
『ひとりぼっちのちいさなおじさん、友だち募集中』
おじさんは、家のそばの木にこんな貼り紙をしてみました。
猫の事務所
宮沢賢治の絵本 猫の事務所
宮沢賢治(作) 植垣歩子(絵) 三起商行(ミキハウス) (2014年10月刊)
猫の事務所
宮沢賢治(作) 黒井 健(絵) 偕成社 (1994年刊)
猫の事務所
宮澤賢治(作) 小林敏也(画) 好学社 (2017年2月刊)
虔十公園林
宮沢賢治の絵本 虔十公園林
宮沢賢治(作) 伊藤秀男(絵) 三起商行(ミキハウス) (2014年10月刊)
橋の上で
橋の上で
湯本香樹実(文) 酒井駒子(絵) 河出書房新社 (2022年9月刊)
夕刻、橋の上で川を見ている少年。
雪柄のセーターを着たおじさんが話しかける。
「川が好き?」「橋が好き?」
少年は、「ただ、いるだけ」だと答えるが、
心のうちでは、何を思っていたのか。
おじさんは、「みずうみをみたことがあるか?」ときいてくる。
おじさんの言う━━みずうみ━━とは、どんなものなのか。
おじさんは、「少年に耳をふさいでごらん」と言う。
耳をふさぐとどうなるのか。
「はやくおかえり」と言い、おじさんは去って行く。
だれかに意地悪をされ、傷ついている少年。
おじさんとの出会いが何をもたらしてくれたのか。
モノクロで進むストーリーのなかで、
少年は成長し、橋も変わっていきます。
そして、1ページだけ、カラーのページがあります。
★湯本香樹実(ゆもとかずみ・1959年生まれ・作家・脚本家)
1992年「夏の庭 - The Friends -」
2008年「くまとやまねこ」(絵・酒井駒子)
小説:「ポプラの秋」「夜の木の下で」他
絵本:「魔女と森の友だち」「おとうさんは、いま」(絵・ささめやゆき)
「あなたがおとなになったとき」(絵・はたこうしろう)他
★酒井駒子(さかいこまこ・1966年生まれ・絵本作家)
2003年「きつねのかみさま」(作・あまんきみこ)
2008年「くまとやまねこ」(文・湯本香樹実)
絵本:「金曜日の砂糖ちゃん」「ぼくおかあさんのこと…」「よるくま」他
「橋の上で」は、
「くまとやまねこ」以来の、
湯本香樹実さんと酒井駒子さんによる、作品です。
「くまとやまねこ」同様、必読作品です。
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